
取締役会長 創業者 挨拶

株式会社オーガンテックは、「「革新的医療技術」の創造により世界の人々の健康の維持と生活の質(QOL)の向上に貢献する」ことを目指し、2008年に設立しました。
私は、2001年までの10年間に二つの製薬関連企業の経験を経て、低分子化合物や高分子による創薬の価値と課題を感じました。そこで21世紀にふさわしい新たな医療システムと高付加価値型産業の創造を目指して、Principal Investigatorとして東京理科大学での研究活動を始めました。目指したのは、生体の発生や自己修復力による再生医療であり、未だ移植医療しかない三次元器官(臓器)再生医療のイノベーションです。優秀な学生に恵まれ、2007年に世界に先駆けて、器官のもととなる原基を三次元の細胞操作により再生する基盤技術である「器官原基法」を開発しました。この技術をもとに、「21世紀型医療としての器官再生医療」の事業化を目指して支援者と共にベンチャーを創業しました。
初めの10年は世界初のイノベーションを通して、知的財産を創出し、特許のホールディングス企業の位置づけでアカデミアでの研究開発を推進しました。器官原基法を基盤技術として、その後、歯や毛包、唾液腺、涙腺の生体内での機能的器官再生を実証し、器官再生研究の潮流を開拓すると共に、ベンチャーの知的財産を生み出しました。その後、国立研究開発法人理化学研究所に研究の場を移すと共に、事業化に向けて始動、さらに民間企業との産学連携活動の推進により、現在のオーガンテックのパイプラインの多くが完成することになりました。コロナ禍による社会情勢の大きな混乱からベンチャーの事業停止も決断することもありました。しかし2022年には新たな支援者のみなさまのご支援により株式会社オーガンテックとして新たな体制で再スタートできたことは、支援者やこれまでの学生、研究員、共同研究企業のみなさまのご支援と共に、社会的要請であると感じております。
いまオーガンテックは2050年ビジョンの中で、主力パイプラインを「次世代バイオハイブリッドインプラント」、「毛髪の再生」、「三次元人工皮膚」に注力して研究開発を進めています。歯の再生研究から発展させた「次世代バイオハイブリッドインプラント」の開発はすでに臨床ステージへと移行し、「毛髪の再生」は基礎研究開発の推進により4つのパイプラインへと発展しています。「三次元人工皮膚」はライセンスも始まりビジネスへと発展しました。さらにこれまでの研究開発の実績から、企業の研究開発の支援も進めています。
オーガンテックは、新たな概念に基づく独創的な「研究開発型企業」として、持続的に、未病やウエルネス、QOL医療、いのちの再生医療などへと展開することにより世界中の人々の健康や長寿社会の実現に貢献していきたいと考えています。その実現に向けて社員が一丸となって取り組んでいます。みなさまのご理解とご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。
2025年9月23日
株式会社オーガンテック
取締役会長 創業者 辻 孝
