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第4回 ヒトでの臨床研究と事業化への道筋 ―研究から社会実装へ―
更新日:2026年8月24日
辻 孝
下 義生代表取締役CEO

早稲田大学理工卒、中央大学・院総合政策研究科修士。2016年にトヨタ自動車、常務役員、2017年に日野自動車、社長、2021年に同社、会長を歴任。2024年9月より当社、代表取締役。 プロフィール詳細 >
 皆さん、こんにちは。オーガンテックの下です。

 これまで、現行インプラントの課題や、私たちが開発を進める「Bio-hybrid Tooth(バイオ・ハイブリッド・トゥース)」についてご紹介してきました。今回は、その技術が研究段階から社会実装へ向けてどのように進んでいるのか、現在の取り組みをご紹介します。

 オーガンテックは、⾧年にわたる器官再生研究を基盤として、歯根膜結合型インプラントの開発を進めてきました。これまで、人に近い口腔環境を持つイヌを用いた前臨床試験において、歯根膜様組織の形成など、良好な結果を確認しています。こうした研究成果を基盤として、現在はヒトを対象とした特定臨床研究へと開発を進めています。

 2025 年には、一般財団法人脳神経疾患研究所附属 南東北医療クリニック 顎顔面インプラントセンターを中心とする研究グループとの共同研究として、歯根膜結合型インプラントの特定臨床研究を開始しました(動画)。本研究では、天然歯と同様に歯根膜を介して歯槽骨と結合する新しいインプラント治療の安全性と有効性の評価を進めています。
歯根膜結合型インプラントの特定臨床研究
動画 特定臨床研究開始の記者発表会
 2026 年 3 月には、研究グループから経過報告を公表しました。経過報告時点では、施術を実施した症例において全例で生着が確認され、2026 年8月現在も継続して経過観察と評価を行っています。特定臨床研究は引き続き実施中であり、今後も症例を積み重ねながら科学的なエビデンスを蓄積していく予定です。(特定臨床研究 2027 年 2 月終了予定)

 また、私たちは国内での研究開発と並行して、グローバル展開も見据えています。世界最大の歯科医療市場である米国では、FDA(米国食品医薬品局)への申請を視野に入れ、現地企業との連携を開始しました。規制当局との対話を重ねながら、国際的な開発・事業化体制の構築を進めています。

 再生医療技術を実際の医療として社会へ届けるためには、優れた研究成果だけでは十分ではありません。臨床研究による客観的な評価、品質管理や製造体制の整備、規制当局との協議、そして国内外の医療機関や企業との連携など、多くのプロセスを着実に積み重ねていく必要があります。

 私たちは、一つひとつのステップを確実に進めながら、患者さんに安心して選んでいただける新しい治療法の実現を目指しています。

 そして、日本で生まれた再生医療技術を世界へ発信し、歯科医療の新たな選択肢として広く社会に貢献していきたいと考えています。
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※本記事は、2026年8月24日時点の情報に基づく研究・開発段階の内容であり、確定的な医療行為を示すものではありません。