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第3回 世界初の「歯根膜結合型インプラント」 ―Bio-hybrid Tooth という新しい治療コンセプト― ※オーガンテック調べ
更新日:2026年8月17日
辻 孝
下 義生代表取締役CEO

早稲田大学理工卒、中央大学・院総合政策研究科修士。2016年にトヨタ自動車、常務役員、2017年に日野自動車、社長、2021年に同社、会長を歴任。2024年9月より当社、代表取締役。 プロフィール詳細 >
 皆さん、こんにちは。オーガンテックの下です。

 これまで、次世代インプラントの必要性と、現行のインプラントに残されている課題についてお話ししてきました。今回は、それらの課題の解決を目指して私たちが開発を進めている「Bio-hybrid Tooth(バイオ・ハイブリッド・トゥース)」についてご紹介します。

 私たちが目指しているのは、現行のインプラントを改良することだけではありません。天然歯が本来備えている機能により近づけることで、新しい治療コンセプトを実現することです(図1)。その中核となるのが、世界で初めて※歯根膜を介して顎骨と結合することを目指した「歯根膜結合型インプラント」です。
図1
図1 Bio-hybrid Tooth の治療コンセプト
 この技術の原点は、歯を一つの「器官」として再生する研究にあります。歯は、エナメル質や象牙質だけではなく、歯根膜、歯槽骨、神経、血管など、さまざまな組織が立体的に機能することで成り立っています。私たちは⾧年にわたり、こうした器官全体を再生する研究を進める中で、器官原基法をはじめとする器官再生技術の研究開発に取り組んできました。Bio-hybrid Tooth は、こうした研究成果を社会実装へとつなげる取り組みの一つです。

 最大の特徴は、歯根膜を有することを目指している点にあります。歯根膜は、咬合時の衝撃を緩和するだけでなく、噛む力を感じ取る知覚機能、生体防御機能、生理的な歯の移動への適応など、天然歯ならではの重要な役割を担っています。私たちは、この歯根膜の機能を活かすことで、より生体に調和したインプラント治療の実現を目指しています。

 現在、Bio-hybrid Tooth は、対象となる患者さんの状態に応じて二つの開発ステージで研究を進めています(図 2)。
図2
図2 Bio-hybrid Tooth の二つの開発ステージ(開発パイプライン)
 第 1 世代は、抜歯時に歯根膜組織を利用できる症例を対象としています。まずは単根歯への適用を目指し、2025 年に特定臨床研究を開始しました。また、複根歯への応用についても研究開発を進めています。

 第 2 世代は、歯周病などにより歯根膜が失われた症例も対象とすることを目指しています。その実現には、歯根膜を構成する細胞の同定や培養技術、移植技術、さらには 3D シミュレーション技術など、複数の革新的な技術開発が必要になります。現在、それらの基盤技術の研究を進めています。

 第 1 世代から第 2 世代へと技術を発展させることで、より多くの患者さんに新たな治療の選択肢を提供できる可能性が広がると考えています。

 私たちが目指すのは、「第 3 の天然歯」と呼べるような、新しい歯科医療の実現です。それは、天然歯でも従来型インプラントでもない、生きた組織と人工材料を融合させた新しい治療コンセプトです。

 日本のアカデミアで生まれた再生医療技術を、確かな科学的根拠に基づいて社会へ届け、世界の患者さんに貢献していくこと。それがオーガンテックの挑戦です。
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※本記事は、2026年8月17日時点の情報に基づく研究・開発段階の内容であり、確定的な医療行為を示すものではありません。